J1最終節 残留争いの行方

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J1最終節 残留争いの行方と結果

12月1日いよいよ2012J1最終節が全国各地で行われる。
先日サンフレッチェ広島が優勝を決めたが、それとは逆に残留争いも連日白熱した戦いが繰り広げられており、
大宮アルディージャは5勝5分け10戦連続負けなしと好成績を残し24日磐田から勝利を得て13位(43)
残留が確定した。ジュビロ磐田は9月15日対神戸戦を勝利して以来2度の引分けを含む8戦連続勝利無しと
厳しい戦いを強いられていたものの、それまでの勝点41の貯金が功を奏し、残留が既に決定している。

現在注目すべきは14位セレッソ大阪、15位ヴィッセル神戸、16位ガンバ大阪、17位アルビレックス新潟
以上4チームで、勝ち点はそれぞれ41,39,38,37となっており、最終節に勝利する事がほぼ絶対条件となる。
問題はヴィッセル神戸の対戦相手は先日優勝を決めたサンフレッチェ広島で、サンフレッチェの実力差は歴然として
おり、実に勝点22、得失点差36得点の差がある。勝利を手に入れるのは非常に困難だ。

そして、リーグ1位の得点力を持ち(得点66)失点63(リーグ17位)得失点差+3(リーグ6位)と本来なら
上位争いを行っているはずの16位ガンバ大阪(勝点38)が何故か残留争いの中核を担っている。
それも36戦中得点を奪えなかった試合は3戦のみで33戦全てで得点しているにも関わらず、それと同じだけ失点も
重ね現在の位置に居る。実際に海外で得失点差25で下位に低迷しているチームがあるのは事実だが、
リーグ1位の得点力があるにも関わらず残留争いを行っているチームは他に無い。
今のG大阪は”得点力があれば勝てるという常識”を逸脱しており、もし降格が確定すれば、レアンドロ、遠藤等の主力
を維持するのは実質的に難しくなる。得点出来ずに大量失点を重ねるチームになってしまえば、サンフレッチェ広島の
ような”一年復帰”は困難を極める。今や前田ゴールの呪いという前田が得点したチームは降格するというジンクスを
破り、残留を確定させる事がサポーターの切なる願いだ。
最終節は絶不調の12位ジュビロ磐田が対戦相手となっている。

14位セレッソ大阪は8位川崎Fと対戦する。5戦勝ちなし2連敗と成績が振るわず、先日1-4でサンフレッチェ広島
の優勝を目の前で見届ける事となったセレッソ大阪だが、引分け以上で自力残留で例え敗退してもヴィッセル神戸又は
ガンバ大阪のどちらかが引分け又は敗退しても自動的に残留が確定する。
従って4チームの中では比較的容易に残留が確定する好条件を持っている。

残るはアルビレックス新潟。対戦相手はリーグ最下位でJリーグ開幕以来最速の9月中に降格が確定してしまった
コンサドーレ札幌。先日ベガルタ仙台から勝点3をもぎ取り、サンフレッチェ広島の優勝確定に助力する結果をもたら
した新潟だが、自力残留は既に消滅しており、最終節を勝利しても”ヴィッセル神戸とガンバ大阪が引分け以下の場合
のみ残留が確定する”という非常に厳しい条件を強いられている。

今回の残留争いは絶対的有利なセレッソ大阪が残留を決め、実質残る1枠を争う事になるだろう。
J2へ降格した場合、主力放出は避けられず、場合によっては資金繰りの大幅な悪化で、解散や吸収といった悲劇に
見舞われる可能性を含む。

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4チームの残留条件一覧

14位 セレッソ大阪   :41(対川崎フロンターレ)
勝利か引分けた場合⇒無条件で残留
敗退した場合⇒ヴィッセル神戸とガンバ大阪のどちらかが引分けまたは敗退で残留

15位 ヴィッセル神戸  :39(対サンフレッチェ広島)
勝利した場合⇒無条件で残留
引分けた場合⇒ガンバ大阪とアルビレックス新潟が引分けか敗退で残留
敗退した場合⇒ガンバ大阪が敗退しアルビレックス新潟が引分けか敗退で残留

16位 ガンバ大阪    :38(対ジュビロ磐田)
勝利した場合⇒セレッソ大阪が敗退するかヴィッセル神戸が引分けか敗退で残留
引分けた場合⇒ヴィッセル神戸が敗退しアルビレックス新潟が引分けか敗退で残留
敗退した場合⇒無条件で降格

17位 アルビレックス新潟:37(vsコンサドーレ札幌)

勝利した場合⇒自力昇格が消滅している為、ヴィッセル神戸とガンバ大阪が引分けるか敗退する事で残留
引分けや敗退⇒無条件で降格

※:前節までの勝点

結果

最終節が全て終了した。
まずは降格濃厚であった17位のアルビレックス新潟対する降格確定のコンサドーレ札幌は前半8分新潟坪内が
先制に成功!続いて43分ロペスが決めて2-0で前半を折り返す。後半8分札幌の榊翔太が1点を返し2-1と
したものの26分、35分と立て続けに新潟が追加点を決めて試合は終了し、残留に望みをつないだ

続いて16位のガンバ大阪はジュビロ磐田と対戦。試合開始早々5分、悪夢が襲う。前田の呪いが現実になるやも
しれない先制点を献上してしまう。右サイドから横へパスを繋ぎゴール前で待つ前田へ低いクロス。これを軽く合わ
せゴールラインへ向かってコロコロと転がった所へDFが掻き出そうとスライディングするもボールはゴールポスト右に
当たりゴール内へ。記録は前田の先制点となった。 何が何でも同点を奪い勝ちこさなければならないガンバ大阪
であったがゴール前の壁は高く得点を奪えない。しかし後半早々8分右サイドから倉田に繋ぎ、強引にゴール右へ
切り込み角度の無い所からシュート!起死回生の一発がきまり同点。続いて35分ゴール前の混戦から跳ね返され
たボールをゴール前へ送り遠藤がヘッドで決めるもオフサイドでノーゴール。1点を奪えば残留の望みが出てくる
ガンバ大阪はリーグ得点No1でありながら、失点もリーグワースト2位というボロボロの守備が、ここでも露呈。
後半40分磐田の小林裕紀がが勝ち越しゴールを奪い、ガンバ大阪が敗退
他のカードの結果に係らずこの時点で降格が確定。得失点差+2でありながら前代未聞の降格となった。

15位ヴィッセル神戸対1位サンフレッチェ広島は勝利すれば自力残留、引分けや敗退の場合でも他のカード次第で
残留が確定する。しかし、相手はリーグ優勝を決めたサンフレッチェ広島。サンフレッチェ広島は最後も勝利で飾り来
年に望みを繋ぐ結果を残したいところ。前半から広島がボールを支配し佐藤らFW陣は手を緩めず積極的にゴールを
狙うも枠を捉えられずヴィッセル神戸の守備は固く閉ざされたまま。そして神戸へチャンス。右サイドへ繋ごうとした
ボールはサンフレッチェ広島のDFが阻止しGK西川へバックパス。これをなんと西川がトラップミスし、目の前で待つ
神戸田代にボールを渡してしまう。しかしそのまま田代は突破しようとしたため西川が即座に掴み直し危機を凌ぎきった。
この後、互いにチャンスを決めきれず前半は無得点で終了。後半開始7分、DF裏のスペースをつかれた佐藤寿人に
対し神戸DF北本が佐藤寿人を倒しPKを獲得。これをMF森崎が危なげなく決めて広島が先制。これで後が無くなった
神戸は強硬攻撃態勢をとったものの、それが裏目裏目となり、カウンターを受ける羽目に。結果空回りが続き、広島は
鉄壁を超えさせる事もなく、試合終了。後は他のカードの結果を待つことになり、ガンバ大阪が敗退したという一報が
入ったもののアルビレックス新潟が引分けか敗退で残留となるが、勝利の続報が入り、降格が確定した。

15位セレッソ大阪対川崎フロンターレ。セレッソは例え敗退してもヴィッセル神戸とガンバ大阪のどちらかが引分けまたは
敗退で残留が決まる為、比較的楽に試合を進める事が出来る降格争いの中で唯一好カードとなった。前半17分中村憲剛
の一発が決まり川崎Fが先制。互いに決定打に欠ける展開でそのまま後半へ。後半18分セレッソ大阪の横山が決めて
同点としたものの39分に小林に決められ再び1-2に。負ければ降格の危険性が僅かながら残っていたセレッソは終了
間際ロスタイム5分のラストプレーで2点目を横山が決めて同点に引き戻し自力残留を決めた。

それぞれのスタジアムに全カードとアナウンスの速報が入ると、 ヴィッセル神戸は降格確定を知ったサポーターからブー
イングが沸き起こり選手らがサポーターシートへ向かうと罵声の嵐。異様な空気に包まれた。その後選手より、サポーター
への感謝の言葉が述べられ、続いて「来年からしっかり共に成長していけるように頑張りましょう」と意欲を示されサポーター
から拍手が送られた。
ガンバ大阪は、現日本代表の遠藤、今野が居ながら勝利を挙げる事が出来なかった結果に、アウェーであるヤマハスタジ
アムのゴール裏は正直目も当てられない光景でサポーターは愕然としていた。
サッカーは1シーズン30試合以上対戦するが、そのうちたった1度の決定的チャンスを決められなかったこの1点の差がJ1
とJ2を分けるような戦いが毎年起こる。今日のガンバの試合がいい例で、レアンドロのシュートはゴールポストに弾かれ、
遠藤は僅かな立ち位置のズレの為にオフサイドノーゴールとなった。これらJ2への降格争いをした各チームは再認識しなけ
ればならないし、10位台に居るチームも来季こそ上位に食い込めるように一層の努力を重ねなければならない。

この日ACLの残り1枠を争う戦いは、浦和が名古屋を圧倒し2-0で勝利を決め、3位浮上。
1位サンフレッチェ広島、2位ベガルタ仙台と共にACLへ出場が決まった。

 最終節全試合結果

鹿島 -0
浦和 -0 名古屋
F東京 -2 仙台
横浜FM -0 鳥栖
新潟 -1 札幌
清水 0-0 大宮
磐田 -1 G大阪
C大阪 2-2 川崎F
神戸 0- 広島

 

最終順位

順位 チーム名
1 サンフレッチェ広島 64 34 19   7   8 63 34 29
2 ベガルタ仙台 57 34 15 12   7 59 43 16
3 浦和レッズ 55 34 15 10   9 47 42   5
4 横浜F・マリノス 53 34 13 14   7 44 33 11
5 サガン鳥栖 53 34 15   8 11 48 39   9
6 柏レイソル 52 34 15   7 12 57 52   5
7 名古屋グランパス 52 34 15   7 12 46 47  -1
8 川崎フロンターレ 50 34 14   8 12 51 50   1
9 清水エスパルス 49 34 14   7 13 39 40  -1
10 FC東京 48 34 14   6 14 47 44   3
11 鹿島アントラーズ 46 34 12 10 12 50 43   7
12 ジュビロ磐田 46 34 13   7 14 57 53   4
13 大宮アルディージャ 44 34 11 11 12 38 45  -7
14 セレッソ大阪 42 34 11   9 14 47 53  -6
15 アルビレックス新潟 40 34 10 10 14 29 34  -5
16 ヴィッセル神戸 39 34 11   6 17 41 50  -9
17 ガンバ大阪 38 34   9 11 14 67 65   2
18 コンサドーレ札幌 14 34   4   2 28 25 88 -63

本日のダイジェスト映像

ジュビロ磐田 2-1 ガンバ大阪 J2降格試合 速報ハイライト

セレッソ大阪vs川崎 18 横山知伸選手 ゴ~ル! (1点目) 2012.12.1


新潟残留決定の歓喜と札幌の選手引き上げ

 

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